16.6 財政の透明性

目標 あらゆるレベルにおいて、有効で説明責任のある透明性の高い公共機関を発展させる。

出典:外務省訳

日本の財政の透明性は相当低いと言われています。

  

政府が何にどれくらい使っているかが分かっていないと国民は不安になり、不満も募ります。
透明度が低いと、内訳が見えない分、汚職しやすくもなります。

  

透明度を高くすることで、国民が安心して納税できる社会になり、政府の税収も増える。
そういう社会を目指そうというのが、目標16の6つめのターゲット「あらゆるレベルにおいて、有効で説明責任のある透明性の高い公共機関を発展させる」です。

  

腐敗認識指数というものをご存じでしょうか。
これは、世界各地の公務員と政治家がどの程度汚職しているのか、180国を対象(2020)にして、もっとも清潔な情報を表す100からもっとも腐敗していることを示す0までの範囲で採点されています。

  

その指数をランキングにすると(順位が高い方が汚職度が低い)1位は88ptsでデンマーク・ニュージーランド
3位以下にはフィンランド・シンガポール・スウェーデン・スイス・ノルウェー・オランダ・カナダ・ルクセンブルク・ドイツ・英国
など、クリーンで安定したインフラを持つ国が並んでいます。

  

日本は74ptsで19位と良くはない結果となっています。

  

下位にランイクインした国は
シリア・イエメン・北朝鮮・スーダン・ベネズエラ・コンゴ・ハイチなど、紛争や国家基盤が安定しない国が多くあり、腐敗認識指数と経済は大きく関連していると予測できます。

  

国家基盤が安定しない理由として、例えば道路などの公共インフラの工事をする業者が政府に賄賂を支払うことで案件を獲得し、工事を行います。実力や実績で案件を獲得できたわけではないので技術力が無かったり、安価な建材を使用して工事を行い、そして、その後のアフターケアもほとんど行わない為、不適当なインフラが完成してしまいます。
このようなことが続くと、企業努力を怠り技術力も向上しないという悪循環に陥ります。

  

腐敗認識指数ランキングが上位の国々はそうならない為のシステムが発達しています。

  

例えば、腐敗認識指数ランキング1位(2020)のデンマークでは政治の透明性が高く、国民の意見を取りれた税金の使い方をしているので、高い税金にも納得し、安心して国民が納税します。
その結果、教育費は大学まで無料。医療費もすべて無料、介護費も無料など充実した福祉を実現しています。

  

この制度が充実していることもあり、デンマークでは、幸福度ランキング(2020)も上位の2位にランクインしています。

このことから、透明性を上げることが、幸せな国作りの一歩といえるのではないでしょうか。

 

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