目標 2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる
出典:外務省訳

世界貧困ライン
1990年、世界銀行は現在世界で生活している人々の中で貧困層を把握する基準として「世界貧困ライン」を設定しました。各国の物価データによる購買力平価から当初は1日に使える生活費が1ドル以下を貧困層として定義しました。
その後、世界経済の成長やそれに伴う物価の上昇により2005年には1.25ドル、2015年10月には1.90ドルと世界貧困ラインは変遷してきています。
SDGsは2015年9月に採択されたこともあり、まだ1日1.25ドルを終わらせるべき貧困と定義していますが、今後は世界貧困ラインに合わせてこの定義も1日1.90ドルへ改定されていくでしょう。
では1日1.25ドルとはどのようなものでしょうか?現在の日本円のレートではおおよそ1ドル106円なので(2020年8月時点)単純計算で106×1.25=約132円となります。
日本で132円で購入できるものを思い浮かべて見てください。おそらくほとんどの人はお菓子1袋やジュース1本くらいを想像したのではないでしょうか?
1日にもしそれだけしか食べることができなければ、朝から夜まで学校や仕事をする元気は出ませんよね。
もちろん食料品の価格は国ごとに変わるので、単純に比べられないかもしれません。ですが、1日活動するのが困難なほどの食糧しか手に入れられないというイメージは持ってもらえたのではないでしょうか?
世界にはこのように1日に使える生活費が日々生きていくのが困難なほど少ない人々が2015年時点で7億3600万人もいます。
現在世界人口が約77億人ですから実に10人に1人が世界貧困ライン以下の生活をしていることになります。
そしてこの基準以下の世界の貧困層の85%は南アジア地域とサブサハラ・アフリカ地域に分布しています。また世界労働機関が2019年に発表した世界所得格差のレポートによると世界で支払われている労働所得の半分は世界の労働者のわずか10%が得ているという調査結果が発表されています。
私たちはこの富の偏在と貧富の格差についてもう一度考え直すべき時期に来ていることは明らかでしょう。
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