8.5 誰もがディーセントワークの未来​へ

目標 2030年までに、若者や障害者を含む全ての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、並びに同一労働同一賃金を達成する

出典:外務省訳

働きがい・ディーセントワークのイメージ画像

「ディーセントワーク」(Decent Work)という言葉をご存じですか?​

ディーセントワークとは、「働きがいがあり、人間らしい生活が送れる仕事」そのものや、そういった働き方の事を言います。 ​

1999年のILO(国際労働機関)総会で初めて使われた言葉で、ILOの活動の目標として位置づけられています。※IOLは1919年に創設された、世界の労働者の労働条件と生活水準の改善を目的とする国連最初の専門機関のことです。 ​

  今回は、働く人すべてがディーセントワークを実現するためには、何が必要かを考えたいと思います。 ​

そもそも「働きがいがあり、人間らしい生活が送れる仕事」とはどんな仕事でしょうか? ​

長年、日本では過労死が起こるほどの働きすぎが深刻な問題になっています。近年は労働環境の問題が多少は表面化し、改善はなされてきましたが現在も過労死はあります。 ​

なぜ、そこまで働くことが必要になってしまったのでしょうか。以下のような事が誘因になっているのではないかと思います。

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  • サービス残業や長時間労働が美徳とされる日本人的文化
  • 国や企業が利益や経済成長ばかりに目を向けて、働く人の安全や教育、報酬をないがしろにしてしまった
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     結果、とうてい人間らしい生活とは言えない働き方を強いられた人も少なくありません。

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      この目標8では、経済成長と人間らしい生活を両立しようという目的があります。 ​

    国や会社が、利益を大きくすることが目的になってしまっては、仕事本来のやりがいや人間らしい生活、が守られないばかりか、働く人が疲弊することで商品の品質低下にもつながり、結果、経済成長にも悪影響を及ぼすのです。 ​

    売れれば売れるだけ会社を大きくすることは、ビジネスでは当たり前かもしれません。ただ、それは社員や消費者にとっての幸せにつながるとは限りません。

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    いま、際限のない成長をゴールにするのではなく、仕事に関わるみんなが幸せになる事がビジネスのゴールになるようなあり方必要とされています。 ​

    失業者の数ではなく、働きがいや勤務体系と言った労働の「質」に重点を置く。 ​

    人の生活を犠牲にして成り立つ経済成長ではなく、持続的な成長をするためにはそういった視点を持つことが第1歩なのかもしれません。 ​

     

    【この記事に関連する目標はこちら】

    • 目標10の平等イメージ
      10.2 「三方良し」で目指すインクルージョン