10.2 「三方良し」で目指すインクルージョン

目標 2030年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、全ての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する。

出典:外務省

目標10の平等イメージ

「三方良し」という近江商人の理念をご存じでしょうか?

売り手も買い手も世間もよい、その理念を元に近江商人は地域に愛される商売をしてきました。

今、世界に求められているものは、商売・ビジネスの在り方に限らず、はまさに「三方良し」の精神ではないでしょうか?

世界の貧富の差は年々拡大しています。

「世界の1%の富裕層が世界の富の半分以上を占める」

1%の富裕層とは世界の長者番付にいる人たちの事です。

これは逆を返せば、世界の富の半分を人口の99%の人々で奪い合っていると言う事です。

あなたが、長者番付に名を連ねる富裕層でなければ、私と同じくこの99%に含まれているのです。

一部の人達に富が集中することは社会に不平等感を与えます。

不平等を感じる世界は、大きな不満を蓄積します。

蓄積した不満は、暴動・テロと言った行動につながります。富の分配が必要な事は確かですが、、、

一見、私たちの世界は豊かに見えます。でも、国を問わず、年齢、性別、障害、人種、民族、宗教などに基づく不平等が毎日起こっています。

多様な人たちが活躍できる世界じゃないと、持続的な目標は達成できないと思います。

そして、一つの国だけでは解決できない問題もあります。

経済格差が一番小さい国はアイスランドで、ジニ係数(所得の格差を表す)は0.25です。日本は0.33となっています。下のグラフでは経済的に豊かな国だからといって、ジニ係数が低いとは限らないと言う事がわかります。

グラフ
参考:OECD Social and Welfare Statistics(2018)

ちなみに、南アフリカは0.62です。ジニ係数0.6を超すと人々の不満が蓄積し、いつ暴動がおこってもおかしくない数値です。

この数値を他人事としてみる事は出来ません。

貧富の格差を広げている理由はいくつもあります。

・グローバル企業による悪質な租税回避

・ICT(情報通信技術)による生産手段の寡占

・資本の集中

・富裕層への優遇税制

・企業誘致のための法人税の過剰な引き下げが「底辺への競争」を加速

・医療や教育予算の削減

(参考:Yahoo!ニュース)

租税回避や生産手段の寡占を回避し、社会的包摂 =「インクルージョン」のためには国際協調が不可欠になっています。

今回、この記事を書くにあたって、

「三方良し」

と言った言葉がずいぶん昔からあった事を知り、先人たちから今こそ必要な精神を学ばせていただきました。

 

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