12.c カーボンニュートラルな社会へ

 私は最近、よく「カーボンニュートラル」という言葉を耳にしますがみなさんはいかがでしょうか?

 直訳すれば、カーボンニュートラル = 炭素中立 ですが…

  

正直、意味わかりませんよね!?私はよくわからなかったので調べてみると、これからどれだけ技術が進歩し二酸化炭素などの温室効果ガスの排出が抑えられても完全に無くすことは現実的ではないのでどうしても排出せざるを得なかった分を除去、吸収することで差し引きゼロにする、ニュートラル(中立)にする、つまり、「カーボンニュートラル」というわけです。

  

 環境対策への取り組みは世界中の人々全員で取り組むべきことですが「カーボンニュートラル」もしかり。具体的には、開発途上国で排出された温室効果ガスを先進国が除去、吸収しても良いということです。ちなみに、「除去」、「吸収」はどのようにして行うのかというと、植林を進め、光合成により大気中の二酸化炭素の吸収量を増加させたり、空気中から二酸化炭素のみを抽出して地中深くに埋める「CSS」という技術などがあるそうです。2014年以前は「先進国は温室効果ガスを大量に排出し繁栄してきたのだから地球温暖化に対してより率先して責任を取るべきだ」として先進国と途上国で対立が見られましたが2015年に採択された「パリ協定」ではすべての国連加盟国が一丸となり地球温暖化への問題解決を行うと合意しました。排出された二酸化炭素などの温室効果ガスは大気中で満遍なく混ざっているのでどこで排出してどこで吸収しても構わないのです。ただ、そのためにはまず、温室効果ガスの排出総量を大幅に削減することが大前提です。

  

みなさんも温室効果ガスが減ったら、クリーンで美しく、気持ちの良い世界になると思いませんか?

  

では、どのようにして温室効果ガスを大幅に削減するのでしょうか。

  

 温室効果ガスを大幅に削減する手段の一つとして「化石燃料補助金の廃止」が挙げられます。

  

経済協力開発機構は温室効果ガス排出を促す化石燃料に補助金を出すのは財源の無駄遣いだとしてこの非効率な化石燃料補助金の段階的廃止により、何も新しい策を講じない場合の「現状維持」シナリオによる2050年の予測に比べ、10%も削減できるそうです。

  

 15の途上・新興国(アジアやアフリカなど) ではエネルギー関連の二酸化炭素排出量の約80%が課税されておらず、調理や暖房などに使用する化石燃料には補助金が出るケースすらあり、補助金の財政コストがエネルギー税収を上回っている国もあるそうです。従って、炭素税改正や化石燃料補助金の段階的廃止は低炭素型の開発目標に合ったインフラ投資を促すのです。

  

 今回ご紹介したのは次の世代へ、クリーンで美しい世界を残していく為の数ある手段のごく一部に過ぎません。自分たちができる範囲で自分たちにできることは何かをよく考え、始めてみることがクリーンで美しい世界を残していくうえで一番大切なことではないのでしょうか。

 

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