9.c インターネット禁止法

明日から日本国民はインターネットの使用を禁止します。
こんな事を突然言われたら、貴方はどうしますか。インターネットが使えないという事は通販が使えない、SNSで他者とコミュニケーションも取れない、動画配信サービスで好きな映画や動画も見れない。
他にも様々な不便な事はありますが、私なら国外逃亡を考えてしまいます。しかしながら、こんな冗談の様な話が、現実で起こっていたとなるといかがでしょうか。

  

シリアでは何と、2000年まで「インターネットと携帯電話」の使用が一般国民は禁止されていました。
確かに2000年頃、日本でもインターネットはそこまで普及してはいませんでしたが、仕事の業種によっては欠かせないものであり、日常でも携帯電話は欠かせないものとなっていました。
2000年に前大統領が亡くなり、新しく就任したバッシャール・アサドが一般国民に開放する事で、シリアの人々もインターネットを使う事が許されたのです。
しかし幾ら許可を得た所で、国にインターネットを普及させる技術力、国財がなければ国民の手に届く事はありません。
そこで、UNDP(国連開発計画)という国際機関がシリアに対して支援を始めました。

  

シリアという国は、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、アメリカ合衆国から「テロ支援国家」として指定されている為、ODA(政府開発援助)を受ける事が出来ません。アメリカからの援助が受けられないというのは相当に大きなものではあります。
しかしながら、全くの支援が無くなる訳ではなく、その他各国からの支援を受け、インフラを整えていきました。
シリア支援のトップドナー国として、何と日本が挙がっています
支援の結果、始まりはインターネットカフェという限られた場所でしかインターネットを使用する事が出来ませんでしたが、現在は先進国程とは言えませんが、国内で場所を選ばずインターネットを使用出来る程まで成長しております。
シリアに対する支援は、資金面だけでなく、青年海外協力隊やシニアボランティア等を通じて、国外のシステムエンジニア派遣も行っています。

  

ニュースで知るシリアの印象としては、紛争等で悲惨なイメージはあると思いますが、一方で国民を救うべく日々着々と活動をし、我々と変わりの無い便利で自由な暮らしを築き上げている方々もいらっしゃいます。
現在、インターネットを使用出来る様にはなりましたが、国民に対する情報規制は存在しています。
もし、シリアが平和で自由な国になった時、我々とシリアの人々がネットを通じてコミュニケーションを取る事が出来る日がくれば、それは素晴らしい事だと思います。

 

【この記事に関連する目標はこちら】

  • 祖父母と孫たちの画像
    11.7 あなたのまちは住みやすいですか?​