13.2 「パリ協定」と世界のCO2排出量について

目標 気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む

出典:外務省訳

地球温暖化による異常気象は様々な問題を引き起こします。

日本では酷暑により熱中症搬送者が増加し、2018年には熱中症による死亡者は過去最多となりました。

また毎年のように集中豪雨による災害も発生しています。

世界に目を向けても記録的な高温、山火事による被害、大雨または少雨など地球温暖化の影響が顕著に表れています。

世界気象機関(WMO)もこれらの事象を「長期的な地球温暖化の傾向と関係している」と発表しています。

地球温暖化を防止するため2015年COP21で採択された「パリ協定」では、世界共通の目標が盛り込まれました。

各国の努力目標として世界全体の平均気温の上昇を2℃以内に抑えること(1.5℃に抑える努力を追求)、そして目標達成のため今世紀後半に温室効果ガスの実質排出ゼロを達成することが掲げられています。

削減目標は5年ごとに提出・更新することも盛り込まれました。

しかし、残念ながら世界のCO2排出量は今後も増加していくと予想されています。

1990年で205憶トン、2015年で323憶トン、2030年では343憶トンと予測されています。

国別では第1位が中国、第2位が米国で、これは1990年から2030年まで不動の位置を占めています。

そして、日本は2015年時点で世界第5位のCO2排出国です。2030年においてもまだ世界第6位と予想されています。

【日本の動き】

日本では、脱炭素社会を実現するため、再生可能エネルギーを主力エネルギー源とし、住まいやオフィスなど、また地域で再生可能エネルギー活用をすすめています。

日本での住宅用太陽光発電のコストは、大規模な普及により大幅にダウンしています。

今後も再生可能エネルギーの利用は増えていくでしょう。

【世界の動き】

イギリス…2025年までに石炭火力発電を廃止、2050年までに暖房をほぼ脱炭素化

フランス…2021年までに石炭火力発電を廃止、2050年までに全ての建物を省エネ規格に適合

ドイツ…褐炭火力発電について補償金を支払い、廃止を進める方針で検討中。

カナダ…2030年までに石炭火力発電を段階的に廃止

中国…石炭火力発電の新増設の抑制や計画の取消

インド…すでに建設中以外のものは、2027年まで石炭火力発電新設は不要

米国…運輸、建物、工業における電気および低炭素燃料への転換

「パリ協定」で掲げる2℃目標は、現時点では実現は困難だといわれています。

しかし、世界のビジネスは確実に脱炭素社会にむけて舵を切っています。

今後も気候変動対策には国際連携や協力が必要になってきます。各国が世界へ強いメッセージを発信するとともに、長期戦略のもと気候変動対策をすすめていく必要があります。

 

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