2.5 SDGsは人だけのものではない

目標 2020年までに、国、地域及び国際レベルで適正に管理及び多様化された種子・植物バンクなども通じて、種子、栽培植物、飼育・家畜化された動物及びこれらの近縁野生種の遺伝的多様性を維持し、国際的合意に基づき、遺伝資源及びこれに関連する伝統的な知識へのアクセス及びその利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分を促進する。

出典:外務省訳

僕らはみんな生きている

  

SDGsの対象は人間だけでなく、動物、植物も対象としています

  

現在、世界ではどれほどの種が絶滅の危機にあるのでしょうか。

2020年に絶滅したと認定された動植物の数は何と36種、今現在、絶滅危惧種として認められているのは、3万2,441種にも上ります。前年は3万1,030種でした。1年間で1000以上の種族が絶滅の危機にあるとして認定されました。
全世界では上記の数ですが、日本のみに絞るとどうなるでしょうか。
こちらも3716種と非常に多く、決して他人事ではない事が理解出来ます。
では、種の保存としてどういった取り組みをしているのでしょうか。

  

我々が普段食べている野菜。実は大半が自然の姿とは異なっています。
とは言っても食べてはいけないという事ではなく、味を良くしたり、病気に強くしたり、育ちやすくさせる為に種の掛け合わせをして本来の種と違うものを生み出しています。
スイカもその一種で、本来のスイカというのは皮が殆どでぽつぽつと実が入っている程度でした。
改良を重ねて現在の甘くて実がいっぱい詰まったスイカを味わう事が出来ますが、今のスイカは、果たして元のスイカと同じものなのでしょうか。

世界では、シードバンクという植物の種子を収集、貯蔵する施設がありますが、日本では同様の働きを、伝統野菜の生産として取り組んでいます。
先述しました本来の姿、掛け合わせなしの固定種を栽培して種の保存をしています。
そして、政府がこの伝統野菜に纏わる事業に対して補助金も出しており、国が一丸となって種の保存に力を入れています。

  

一方で残念なお話もあります。絶滅と言われて久しいウナギですが、未だに国内で採捕されたシラスウナギのうち3割を超える、出所不明の密漁が発生しています。完全養殖に向けて力を入れてはいるのですが、未だ天然に頼らざるを得ない状況です。

  

未来の子どもたちにもやはり、我々と同じ様に美しい自然や、美味しいものを味わってほしいものです。
ウナギの様な問題に対しては知識を深めて、駄目な事に対しては一人一人が勇気を持って反対し、伝統野菜を見かけた時にはいつもの野菜の代わりに買ってみる等、行動する事によって私達も参画する事が出来ます。
又、伝統野菜は従来の野菜に比べ栄養価が高いとの事ですので、コロナに打ち勝つ為にも是非購入してみてはいかがでしょうか。

 

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