2.3 双方が利益を得られる支援の仕組みを作ろう

目標 2030年までに、土地、その他の生産資源や、投入財、知識、金融サービス、市場及び高付加価値化や非農業雇用の機会への確実かつ平等なアクセスの確保などを通じて、女性、先住民、家族農家、牧畜民及び漁業者をはじめとする小規模食料生産者の農業生産性及び所得を倍増させる。

出典:外務省訳

直売店とネリカ米から学ぶ、支援の仕方

私は時々、家族と野菜の直売店を訪れます。

家から近いというわけではありません。というか、結構遠い所にありますが月一くらいで訪れます。

当初はそこが目的地ではなかったのですが、一度訪れてからは大阪の北の方に用事があれば、ほぼ毎回立ち寄るようになっています。

その直売店は、とにかく野菜が新鮮で、お米も、果物も、お花も、市街地のスーパーに並んでいるものよりも、みんな生き生きしています。

そして、その商品にはすべて、それぞれの生産者さんのお名前が外袋などに記載されています。

例えば、キュウリコーナーでも、「Aさん農園」と「Bさん農園」「Cさん農園」それぞれのキュウリが置いてあるのです。トマトなんて10種類以上品種も生産者さんも違うものが並んでいます。

これは、中心街のスーパーでは考えられませんよね。

つまり、この産直店は小さな農家さんが、スーパーでは卸せない少量の様々な作物を直売できる仕組みを作っているのです。

他に、ネット上でも同じような仕組みを作っているアプリがあります。

アプリをプラットフォームとして、ネット上で生産者さんと私たちが直接つながり、野菜や果物といった農作物を購入することができるのです。

スーパーに卸すには生産量が少ない、小規模な食料生産者さんや農家を助ける事が出来るだけではなく、私たち消費者に取ってもうれしい事があります。

・とれたてが並ぶので新鮮で美味しい

・生産者さんが分かるので、安心・安全

・産直のため、スーパーよりも安い

といったメリットがあります。

SDGsの掲げる、「持続可能な目標」を達成するためには、双方が利益を得られる仕組みを作る道が一番でしょう。片方が助けられても、片方が不利益を被る支援は持続で切るでしょうか?。

双方が利益を得られるからこそ、支援が持続できるのです。

ところで、皆さんはネリカ米をご存じでしょうか?

ネリカ(New Rice for Africa)とは、高収量のアジアイネと病気や雑草に強いアフリカ稲を交配して出来上がった改良品種の総称です。

アフリカ稲センター(WARDA)が、1992年にアジア稲とアフリカ稲の交雑に初めて成功し、現在は水稲60種、陸稲18種が登録されています。

日本も96年以降、JIRCAS、JICAから研究者、専門家を派遣し、品種開発・普及を支援してきました。


これも、稲の研究をすることによって今後の日本にメリットがあります。

昨今の異常な地球温暖化に伴って、近い未来、日本の稲も育ちにくくなってしますかもしれません。その時、アフリカを助けたネリカ米の研究が今度は私たちの国を救うのです。

 

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