1.2 日本貧困ラインとは

目標 2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、全ての年齢の男子、女子、子供の割合を半減させる

出典:外務省訳

日本は貧困国に入るのでしょうか?

 貧困には毎日の食べ物もない「絶対的貧困」と最低限の生活は営めるが教育や医療サービスを受けたり仕事に就くことのできない「相対的貧困」があります。

先に結論を申し上げると日本の場合は相対的貧困に当たります。

日本の貧困ラインに正式なルールはありませんが、

OECD(経済協力開発機構)による貧困ラインの作成基準があり、そのデータにて相対的貧困ラインを算出すると下記となります。

・日本の相対的貧困ラインは年収122万円、貧困率は15.6%

子どもの貧困率13.9%、実に7人に1

・貧困ラインは1997年の149万円をピークに下降

日本ではこの相対的貧困率が経済大国の中でも特に高いとされています。

2016年に発表された世界の貧困率比において

・日本は世界で14番目の15.7%

先進国の中で中国やアメリカに次いで3番目

日本の貧困率が世界の中、そして先進国の中でも高い

また世帯構造別で言えば、

ひとり親世帯の貧困率は2015年で50.8%

ひとり世帯のおよそ半数が貧困状態 

日本の抱える「新たな貧困」問題

新たな貧困層は都市部に在住の高齢者や女性や子供が多い。この貧困問題は少子化と高齢化に伴い、社会の発展に影響を及ぼす可能性があると考えられてます。

貧困層の多くが未開拓地域や農村部に集中する中国と異なり、日本の新たな貧困層のほとんどが都市部、さらには首都圏に居住しています。また、以前は生活に余裕のある暮らしをしていた人が目立ちます。厚生労働省の統計では、1970年に7だった65歳以上の高齢者貧困率は1994年には14に上昇し、2018年には28へとさらに倍増、2040年には35に達する見通しだそうです。

現在,ユニバーサル・ベーシック・インカム(UBIと呼ばれる制度が貧困対策として注目を集めている。この制度は,所得に関係なく,ある一定額をすべての国民に支給するものである。この制度の興味深い点は,経済的な保守(右派)と革新(左派)の両方から支持がある点である。右派はUBIに社会保障制度を一本化することによって,小さな政府が実現できるとして支持し,左派は所得に関係なく平等にお金を支給するという点を支持している。さらに近年は,AIなどの科学技術の進展で職を失う人への保障制度としても支持されている。

このような貧困問題を解決するためには行政や関係機関の取り組みだけでなく、私たちにも行動を起こすことが求められます。

まずは日本の現状を知り、できることを探してみてはいかがでしょうか。

 

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