11.a 楽しみながら出来ることから始めよう

目標 各国・地域規模の開発計画の強化を通じて、経済、社会、環境面における都市部、都市周辺部及び農村部間の良好なつながりを支援する。

出典:外務省訳

日本で一番人口の多い都道府県はどこか知っていますか?
 
総務省が公開している統計によると、1位は「東京都」で約1300万人(平成27年)。
全人口の約1割を占める人間が、東京都に集中していることになります。
増減率も2.7%となっており、まだ増えている状況なのです。
 

 
それでは、一番人口の少ない都道府県はどこでしょうか?
 
同じく統計を参照すると、「鳥取県」で約600万人。
増減率は-2.6%で、さらに減少していることが分かります。

 

人口が集中し、土地や建物・インフラなどが不足し、環境汚染も進みやすい「都市部」。
人が集まっている分、たくさんの物や雇用があり、流れや生産性があるというメリットもあります。
 
一方、人がどんどん出ていってしまい、過疎化が進む「周辺部」。
豊かな自然が残っている場所もあり、都市部では見られない虫や動物も暮らせる環境があったりします。
農業や漁業が盛んなイメージもありますね。
 
都市部にも、周辺部にも、素敵なところと問題点の両方が存在していると思います。
そして、お互いが補い合うことで解決できたり、より魅力的なものになったりするのではないでしょうか。
 
 
都市部とその周辺部が、良好な関係性を築いている事例を見ながら、考えていきたいと思います。
 
 
例えば、「グリーン・ツーリズム」というものがあります。
 
農業や漁業を体験しながら、地域の人々と交流する活動のことを言い、農漁業の経済的な成果も期待されています。
 
日本では、「農山漁村滞在型余暇活動促進法」という法律まで制定されて、積極的に推進されてきました。
法律の中では、認定・登録された民宿には、農林水産省が定める標識を掲示することが記されています。
利用者サイドとしても安心出来ますし、利用しやすくなりますね。
 
のんびりリラックス出来ることから、慌ただしい日々を過ごす人間には嬉しい制度です。
美味しいものが食べられたり、今までやったことのない体験が出来たりと、楽しいバカンスとなることでしょう。
 
そして、体験を受け入れる農漁村にとっても、宿泊施設やレストランなどでの収益が見込める・伝統の伝達が出来る、といったメリットがあります。
村おこしにも繋がるかもしれません。
空き家の有効活用にもなります。
そのまま移住を考える人がいれば、過疎化や高齢化の解決に繋がっていきます。
 
 
ほかにも、「ふるさと納税」制度の利用も地域応援のひとつの手段と言えるでしょう。
 
有名なので、すでに実施している人も多いかもしれません。
今まで行ったことのない地域の物に触れ、支援をすることが出来る上、税制上のメリットもあります。
ただの寄付と違い、美味しい食材などが手に入る、というのも良いですよね。
 
 
このように、様々な制度が存在しています。
どちらも一方的な支援ではなく、お互いにとって嬉しい交流である点が、持続可能に繋がるポイントだと感じます。
 
もちろん、高齢化により受け入れ体制を整えるのが難しい、興味を持ってもらえる特産品がない、など問題はあると思います。
まだまだうまくいかないことはありますが、多くの人が興味を持ち、ともに考えていくことが大切です。
 

 
国や自治体規模での支援や計画はもちろん必要なことだと思います。
個人レベルではそんなに大きな力にはならないかもしれません。
でも、意外と出来ることはたくさんあると思っています。
 
自分の自治体はどんな取り組みをしているだろう
旅行で行ったあの場所はどうだろう
なんて興味を持つだけでも。
 
無理なく、楽しみながら取り組める制度もたくさんあるので、そんな小さな一歩を大切にしていきましょう。

 

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