11.2 みんなが行きたい場所に行ける世界

目標 2030年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子供、障害者及び高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、全ての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する。

出典:外務省訳

わたしにはひとり子どもがいます。
今はもう自分の足で歩けるようになりましたが、2歳を過ぎても足腰が弱く、なかなか上手く歩くことが出来ませんでした。
 
そのため、長くベビーカーで移動をしていました。
ベビーカーでのお出かけは、ストレスだらけでした。
 
大きな段差は乗り越えられず、エレベーターを探さなければなりません。
バスや電車に乗るときは、ベビーカーごと抱き上げて乗せなければなりません。
車を持っていないため、バスや電車で移動していましたが、田舎なためなかなか来てくれません。
混雑時の電車に乗った際は、白い目で見られたこともあったでしょう。
 
自分一人で出かけるよりも、何倍もの時間と労力が必要でした。
 
 
同じように「行きたい場所へ行くことが困難な人」は、世界的にもまだまだ存在しています。
物理的に移動が大変な人はもちろん、差別などにより安心して移動出来ないという人もいるのです。
 
弱い立場の人々、女性、子ども、障がい者、お年寄り。
すべての人々が安心して、安全に、行きたい場所へ行くために、私たちに出来ることはいったい何があるのでしょうか。
 
 
今回は、そんな「安全で安価で安易に利用できる、持続可能な輸送システム」について考えていきたいと思います。
こうしたシステムの実現は、すべての人にとって便利な社会の実現に繋がっていくと思います。
 
 
まずは、「安全」。
日本でも度々ニュースになる「痴漢」は、電車内の安全を脅かす要素の一つでしょう。
被害者が被害を訴えづらく、表面化しづらいものです。
 
そんな痴漢対策として、電車内の防犯カメラ設置が進められてきました。
痴漢や傷害事件などの証拠をとらえ、事件解決に役立っています。
カメラが設置されている、というだけでも犯罪抑止に繋がっているのではないでしょうか。
 
 
次に、「安価」。
仮にちょっと買い物を行くためにバスに乗って、3000円かかったらどうでしょう。
きっとバスに乗る人は減少するでしょうし、買い物に行くのがあまりにも大変です。
誰もが利用しやすい料金設定でなければ、意味がありません。
 
公共交通機関では、いわゆる「シルバー割」や「子ども料金」を採用しているところがあります。
一律の料金で乗れるものや、半額になるものなど、それぞれ違いはありますが安価に利用出来る工夫がされています。
また、高齢者の免許証返納で、タクシーチケットなどの特典を受け取れる自治体も増えてきました。
車がなくても、安価に移動出来る手段は増えてきているように感じます。
 
 
最後に、「安易」。
つまり、簡単に利用できる状態でなければなりません。
駅やバス停までのアクセスの良さも重要になるでしょうし、駅の中のアクセス性も重要となるでしょう。
ベビーカーや車椅子が必要な人にとっては、エレベーターがなければ電車のホームにたどり着けません。
駅員さんのサポートなど、マンパワーが必要になることもあると思います。
 
新たにエレベーター設置を進めている駅もありますし、駅員さんを呼ぶインターホンが各所についている駅もあります。
 
 
そして、「持続可能である」ということも忘れてはなりません。そのためには、ひとりひとりの心がけも大切になってきます。
 
「お年寄りに席を譲る」「困っている人を助ける」
それだけでも、大切なSDGsへの一歩になると思います。

 

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