1.b 何故ジェンダー配慮が貧困撲滅に繋がるのか

目標 貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援するため、国、地域及び国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを構築する。

出典:外務省訳

男女平等が実現すると、貧困撲滅に繋がる。最初私はこの意味が理解出来ませんでした。
ジェンダー問題と貧困の問題は別ではないのか、どうしてジェンダー配慮が貧困を解決するのか結びつきません。
それは日本という幸福な国に住んでいるからで、後進国のジェンダー不平等は想像を絶します

  

まず、人身売買という問題があります。ターゲットは子供と女性。
売買により拉致された子供、女性は性的搾取、強制労働、強制結婚、子供兵士、そして臓器摘出といった苦しみを味わう事になります。
望まぬ性行為の為に自ら命を絶ったり、性行為による感染症での病死、児童婚による幼すぎる妊娠で母体が耐えきれず命を落としてしまうといったケースがあります。
強制労働も雀の涙程の賃金で、危険で不衛生な場所で労働を強いられます。もし反抗する事があれば暴力で屈服させられ、最悪、殺される事になります。

  

次に後進国での風習です。労働という場に女性が出てはいけないといった風習があります。
後進国では、国風として女性が仕事をするのを禁じている所が多く、家事等の無償労働をするしかない状況にあります。
我が国でも共働きでも苦しいという声が挙がっているので、後進国で共働きが出来ないという状況は、多くの貧困を生むというのは想像に難しくありません。

  

そういった過酷な状況を抜けても尚、問題があります。それは女性が男性に比べて充分な教育を受けられていないという事です。
教育を受けた子供は、農法等の仕事に関する知識や、読み書き、生きる為の手段を考える力が養われるので、貧困を抜け出せるのです。
しかし、女の子が初等教育を受けている割合は78%、中学レベルの前期中等教育を受けている割合は31%ととても低くなっています。
前述した、女性は家事をすべきという風習がある為です。そして、そのまま子供を産んで、その子供も同じ様に満足な教育を受けられず、といった悪循環を繰り返しています。母親として大切な事も学校で学ぶので、知らずに子供を死なせてしまうといった悲しい事も多発しています。

  

こうして後進国のジェンダー問題を知ると、ジェンダー配慮が貧困撲滅に繋がると理解できます。

  

では、彼女達を守る為に世界はどういった行動をしてきたのでしょうか。

人身売買は、そもそも罰則自体が存在していませんでした。そこで、まず法律として人身取引禁止法等を施行しました。
次に後進国内と国外、双方にジェンダー配慮を意識付ける為にシンポジウムを開催して意見交換や協力を行う場を提供しています。

そして拉致した被害者を他国へと連れて行かせない為に、既存のビザ・パスポートの審査や、出入国審査、査証審査を厳格化し、旅行業界に対しても、人身売買に加担しない様に通達する等して防止策をとっています。

発生してしまった人身売買に対しても、政府の公的シェルター、民間NGO等の一時保護委託、国際機関による帰国支援、匿名通報ダイヤルの導入などの保護も整えています。

  

この様に後進国政府だけでなく、NGO、国際機関が一丸となってジェンダー問題に取り組んでいます。
今はまだ根絶するには至っていませんが、世界が一つになって協力し合えば、ジェンダー問題も貧困も終結するでしょう。
活動に対する寄付も受け付けています。この問題を解決する力になりたいと感じた方は是非ともお願い致します。

 

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