15.9 生態系がもたらす開発プロセス及び貧困削減

目標 2020年までに、生態系と生物多様性の価値を、国や地方の計画策定、開発プロセス及び貧困削減のための戦略及び会計に組み込む。

出典:外務省訳

地球上にどれだけの生物がいて、毎年どれだけ絶滅しているかご存じでしょうか。
動物だけでも140万種を超えており、その中から毎年1,000~10,000種が絶滅しているとされています。
自然現象によるものと、直接的ではなくとも昔から私たち人間が起こしてきた環境破壊により様々な生物が絶滅してきました。

  

この記事では「生態系がもたらす開発プロセス及び貧困削減」をテーマにしています。
人間以外の生物がどのように経済に利益をもたらすかを知っていただけたら幸いです。

  

地球上の生物は多種多様であり、その生物達とのつながりを「生物多様性」を呼びます。
この他の生物達とのつながりは様々な経済効果をもたらすことができ、結果皆さんの暮らしをより豊かにすることができるとされています。

  

生物多様性」という言葉を知ってはいても、そこからどのような経済効果をもたらすかを知っている方は少ないのではないでしょうか。
実際の政策は規模が大きく身近なものが少ないですが、知っていただけたら自身の生活を見直してみようと思っていただけるはずです。

  

私たちの暮らし、経済にとって「生物多様性」がどのように役立っているのかを例を上げてご紹介いたします。

  

2004年に起きたスマトラ島沖地震では、海辺のマングローブ林やサンゴ礁が残っていた地域ではこれらの自然が津波などを吸収してくれたことにより被害を抑えることができました。IUCNによるとこれらを経済価値に換算すると1年間あたりの価格は33兆ドル(約3,040兆円)ともいわれています。
また医療の面でも植物や海の生物が貢献しています。海の生物から抽出された抗がん剤や様々な植物が使われた薬草など多くの利益を生み出しているのです。
今後更に新しい物が発見される可能性も考えられます。今現在難病とされているものも治療できる日が近いかもしれません。
いかに私たち人類が様々な生物から恩恵を受けているか知っていただけたでしょうか。

  

このように経済効果をもたらし、自然災害を防ぐため貧困削減にもつながっています。
ただし自然に守られるためには環境を守る必要があるのです。生態系が整うことで、
より多くの生物が地球上で生き抜くことができます。それは日本だけではなく世界に様々な効果をもたらし、開発などに組み込むことも可能になってくるのです。

  

皆さんも今一度同じ地球上に生きる生物として環境問題に目を向けてみてください。

  

生物同士のつながりを大切にすることが私たちの生活をより豊かにするためにはかかせないのです。

 

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