15.8 外来生物

目標 2020年までに、侵略的外来種の移入を防止し、これによる陸・海洋生態系への影響を大幅に減少させる。対策優先種の駆除または排除を行うための対策を導入する。

出典:外務省訳

最近テレビ番組等でよく「外来生物」について取り上げられています。
池や沼等の水を抜いて外来生物を含む生物調査をしていたり、駆除したり、調理をし食べたりしています。
番組を見て「えっ!これも外来生物になるの?」と思ったりすることも多々あります。
そんな「外来生物」ですが、正しく理解できているのでしょうか?

  

外来生物といっても色々とあります
 ・外国から日本にもちこまれたもの
 ・日本の他の地域から持ち込まれたもの
  (同じ種類がいる場所等に、他の地域の遺伝的異なるものを放逐すると、遺伝的に混じってしまい生物の地域性が失われるそうです)
 ・日本から海外に運ばれて他国で外来生物となっているもの
その他にも色々とあります。

  

外来生物はどのようにしてやってきたのでしょうか?
 ・意図的な導入
  ペット/家畜/園芸/漁業/害物の駆除の為に放つ
  →管理不十分で逃げ出したり、誤って放たれたりします。
 
 ・非意図的な導入
  人・物の移動に伴い付着/混合して他の地域へ移動されるケース
  →植物の種子/昆虫、寄生虫等が多いです。

  

外来生物による問題や影響はどのようなものがあるのでしょうか?
 ・もともとその場所に生息していた動植物が食べられてしまいます。
 ・近い種で交配が行われて遺伝子の汚染(雑種)が生まれてしまいます。
  純血種、病気対する抗体が失われると恐れられています。
 ・感染症(近年話題のSARSやエボラ熱等・・)の病原菌を媒介する恐れのあるネズミ等の輸入数は現在も莫大な数にあがっています。
 ・荒れ地等を手早く緑化する為に南米原産の多年草がよく植えられるのですが、この植物が野生化し在来の植物群を圧迫している報告があがっています。

  

問題へ向けての取り組み(法による規制)
 ・日本では、外来種の検疫や防除の体制が十分に整っているとは言いがたいです。
  ペットショップで販売されている外国産の動物・昆虫・両生類・爬虫類等について病原菌の有無等のチェックや逃亡時の対応等が明確にされていません。
 ・2004年6月、外来種規制を定めた初の国内法である「特定外来種による生態系等に係る被害の防止に関する法律(特定外来生物法)」が国会で成立、2005年6月1日より施行されましたが特定外来種には国内移動によるものは含まれず、海外からやってくる生物種のみが対象となります。
  またすでに飼われている外来種を野外に放すことを規制し、自然環境や人への被害を防ぐにはどうするのかといった具体的な内容が何も決まっていません。

  

私たちができる事
 全てを駆除する事は現実的ではないので、少しでも減らす事を考えないといけません。
 大きな事は出来なくても、ペットを飼う時・園芸をする時、一度立ち止まって考えてみませんか?
 外来生物と関係ないかどうかを・・。

 

【この記事に関連する目標はこちら】

  • ハートを持った医療従事者の画像
    3.4 誰も取り残さない未来へ