目標 すべての人々に対する財政保障、質の高い基礎的なヘルスケア・サービスへのアクセス、および安全で効果的、かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンのアクセス提供を含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する。
出典:外務省訳

ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)とは、「全ての人が適切な予防、治療、リハビリ等の保健医療サービスを、支払い可能な費用で受けられる状態」を言います。
残念ながら現在の国際社会では、誰もが適切な質の高い保健医療サービスを受けることができていません。WHOと世界銀行によると、世界の人口の半分(35億人)が保健医療サービスから取り残されているようです。
とくに低所得者層や母子家庭、障害者・少数民族など社会的に弱い立場にいる層では、その傾向が顕著にみられます。
保健医療サービスが受けられない理由として、貧困が挙げられます。
貧困により医療費が高くて払えないことや、近くに医療機関がなく、遠くまで受診に行かなければならない為、医療費にくわえて交通費まで高くつくということです。
さらに病気によって職を失えば、働けないから収入が減るという負のスパイラルにより、ますます貧困となります。
国や地域によっては、医師・看護師が不足していることや、医療機器や医薬品がないことが理由として挙げられます。そもそも医療の重要性が浸透していないことも原因となっています。
2020年から世界的に新型コロナウイルスが流行していますが、国際社会ではワクチンの争奪戦となっています。ワクチン接種を始めた国から経済活動を再開することができるからです。ワクチン接種は裕福な先進国を優先に進んでおり、後進国は後回しとなることが予想されます。
しかし、感染症はコロナウイルスだけではありません。他にもエボラ出血熱などの感染症対策も必要ですし、今後もいろいろな感染症が流行することが予想され、感染を抑制するための対策も急がれます。
そのためにも保健医療サービスを人々に提供するための基盤となる人材・施設・資機材などの強化が必要になります。
誰もが、どこでも、いつでも平等に保健医療サービスを受けることができるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成が急がれます。
SDGsでは目標としている2030年までに世界の人々が保健医療サービスを平等に受けることができることを目指しています。
一方、日本は世界有数の長寿国となりましたが、それは早くに公的保険制度を導入したからといわれています。他の先進国に比べると比較的低コストで長寿国となった歴史と経験があります。それらの経験を踏まえ、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成すべく、国際社会に貢献していくことが必要です。
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