5.a 女性の金融サービス格差に対する対策

目標 女性に対し、経済的資源に対する同等の権利、並びに各国法に従い、オーナーシップ及び土地その他の財産、金融サービス、相続財産、天然資源に対するアクセスを与えるための改革に着手する。

出典:外務省訳

日本では男性でも女性でも、社会人であれば大体の人が銀行口座を持っていると思います。
しかし世界ではそうもいかず、貧困層の多い途上国での銀行口座の保有率は低くなっています。
その中でも特に、家の仕事に掛かりきりでお金を稼ぐ機会が少なくなりがちな女性の銀行口座保有率は男性より低く、それによって金融サービスが受けられない人がいます。

  

世界ではそういった人達に対し、どのような対策を行っているのでしょうか?

  

・マイクロファイナンス
マイクロファイナンスは、女性に限らず貧困層の人々に銀行等の金融サービス程ではないですが融資・貯蓄・保険等を提供する金融サービスの一つです。
通常銀行で融資を受ける際は、ある程度返済能力がなければ融資を受ける事が出来ないのですが、マイクロファイナンスでは銀行で融資を受けられない人達向けにサービスを提供しています。
ただし、無償で提供する訳ではないので、少しずつ返済していく必要はあります。

  

・女性起業家に向けた金融支援サービス「Lucy」
会社を起業する際、手元に資金が潤沢な人は問題ないですが大体の人は資金調達から始まります。
しかし、男性と女性がそれぞれ起業しようとした際の資金調達出来る額には、大きな差があるようです。
それには女性の社会的信用の低さ等の問題がありますが、このような格差は女性起業家の活躍を妨げる事となってしまいます。
シンガポールを拠点とする「Lucy」では、そういった女性達に向けて様々な金融サービスやプラットフォームを提供し活躍を支援しています。

  

・女性起業家資金イニシアティブ(We-Fi)
世界銀行が2017年に設立した、資金調達が特に厳しい発展途上国の女性に対し企業や事業展開における資金の融資、市場や人脈へのアクセスをサポートするプラットフォーム的な役割を担っています。
マイクロファイナンスや「Lucy」のような改善策のなかった国に女性起業家達に対しても援助を行えるようになりました。

  

以上、女性の金融サービス格差に対する対策となりうるサービスや活動について見ていきました。
女性の社会進出が進められる現代では少しでも不安が解消され、眠っている才能が遺憾なく発揮出来る環境を整えていくのが課題になりそうです。
その中でも資金面というのは特に重要であると思いますので、こういったサービスが更に増えていくと良いですね。

 

【この記事に関連する目標はこちら】

  • 食事中の子供たちの画像
    2.1 小さな意識から大きな食料支援へ