6.3 安全な水を世界へ

目標 2030年までに、汚染の減少、投棄の廃絶と有害な化学物・物質の放出の最小化、未処理の排水の割合半減及び再生利用と安全な再利用の世界的規模で大幅に増加させることにより、水質を改善する。

出典:外務省訳

都会の水道水は汚い、田舎の山の川水はきれいでおいしいなど日本国内だけでも水に対する意識の差が大きくでています。しかし世界基準で考えた場合、日本の水は全て「安全な水」とされています。
世界人口の約3分の1の人が、現在「安全な水」を使うことができません。安全な水を利用できる環境が整っている国は世界でも数えるほどしかなく、日本がいかに水に恵まれているかが分かると思います。

 

この記事は「水質の改善、下水の再利用」をテーマにしています。小さなことでも積み重ねていけば、世界の水質事情は少しずつ改善していきます。

  

現在の水質汚染の原因の約70%は生活排水です。中でも台所からの排水が多く、油や米のとぎ汁などが大半を占めていることをご存じでしたか?

  

私も以前、食事後の洗い物で何も気にせず排水口に全て流していました。水質汚染の原因の大半が生活排水と知ってからは、食器を軽く拭いてから洗うよう心がけています。余分なものが排水口には流れず、残りの汚れを流すだけなので水の量も減り、節水にも繋がっていきます。

  

現在の下水処理の例として東京湾をあげてみましょう。日本では汚水と雨水をひとつに集め、下水処理場まで送る合流式という方法が幅広く採用されています。この下水道設備により東京湾に流れ込む河川の水質は大幅に向上しました。しかし近年ではゲリラ豪雨という局地的な大雨が降ることがあり、そうなると下水に流れ込む水の量が普段の70倍にもなると言われており、下水処理場の能力をはるかに上回ってしまいます。

再利用しようにも自然現象を止めることはできません。そうなると私たちが生活排水を少しでも減らしていくしかないのです。

  

最近のみなさんに身近な政策として「レジ袋の有料化」があげられます。なぜレジ袋が有料化したか考えたことがあるでしょうか。
まさにこの記事のテーマである「水質汚染」を減らすという目的も含まれているのです。
もしレジ袋を有料化していなかった場合、2050年にはプラスチックごみの量が魚の量を上回るとされています。
大阪湾には約300万枚ものレジ袋が沈んでいるとされており。これは無視できるものではありません。

  

現在60か国以上が有料化、使用の禁止、課税などの政策を行っています。日本ではレジ袋が有料化になりゴミは減りましたが、いまだ多くのゴミが水を汚しています。これからはみなさん一人ひとりの意識を変えていく必要があるのです。

  

世界のゴミの量が減るということは、結果みなさんのゴミの量も減ってくるということです。

  

世界に「安全な水」を届けるために小さなことから始めてみませんか。

 

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