8.9 観光は、世界の経済成長の原動力の一つ

目標 2030年までに、雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する。

出典:外務省訳

ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を実現するために

ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を実現するためにはどうすればよいのでしょうか?

SDGsの17の目標の8番目には「働きがいも経済成長も」というものが定められています。

これはすべての人のための継続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進すると定めています。

目標の8番目の中で観光と持続的な開発の目標に該当するターゲット「8.9 2030年までに、雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する。」について述べます。

観光は、世界の経済成長の原動力の一つであり、現在では、世界で11人に1人が観光分野で働いています。観光が働きがいのある雇用機会を提供することにより、技能と専門性が向上し、社会(特に若者と女性)に恩恵をもたらします。観光分野における雇用創出への貢献は、ターゲット8.9「2030年までに、雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する」に明記されています。

また、観光と持続的な開発の目標に該当するターゲットとしては、以下の通り、目標の12番目(つくる責任つかう責任)、14番(海の豊かさを守ろう)に存在し、連携を図る必要がある。

持続可能な消費生産形態を確保する。「持続可能な消費と生産(SCP)」の実践を採択している観光分野は、持続可能性に向けた世界的な転換を加速するための重要な役割を果たすことができます。そのためには、目標12のターゲット12.bにあるように、「雇用を創出し、地域の文化や産品を活かす持続可能な観光のための、持続可能な開発の効果を測定するツールを開発し、実践すること」が非常に重要です。持続可能な消費と生産の仕組みに関する10年計画(10YFP)の中の持続可能な開発プログラム(STP)は、このようなSCPの実践の推進を目的としており、それには経済的・社会的そして環境面での成果をより高めるための資源効率のよい取り組みが含まれています。

持続可能な開発のために、海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。観光の最大の分野である海岸と海洋での観光は、特に小島嶼国(SIDs)において、健全な海洋生態系に依存しています。観光開発は、破壊されやすい海洋性体系の保全保護を進め、ブルー・エコノミー(環境を損なわない海洋経済)を促進する手段となるように、「総合的沿岸域管理(ICZM)」の一部に組み込まれなければなりません。このことは、「2030年までに、海洋資源の持続可能な活用によって、また、漁業、水産養殖業、観光の持続可能な管理を通じて、SIDsやLDCsへの経済的恩恵を増進する」というターゲット14.7に則しています。

最後に持続可能な観光とは?わかりやすく定義すると、
「訪問客、業界、環境および訪問客を受け入れるコミュニティーのニーズに対応しつつ、現在および将来の経済、社会、環境への影響を十分に考慮する観光」ということに

なります。

 

【この記事に関連する目標はこちら】

  • 目標10の平等イメージ
    10.2 「三方良し」で目指すインクルージョン