8.7 「あなたは何歳から働き始めましたか?」

目標 強制労働を根絶し、現代の奴隷制、人身売買を終らせるための緊急かつ効果的な措置の実施、最悪な形態の児童労働の禁止及び撲滅を確保する。2025年までに児童兵士の募集と使用を含むあらゆる形態の児童労働を撲滅する。

出典:外務省訳

日本の法律では、15歳からアルバイトすることが出来ます。
私自身は16歳からファミレスでアルバイトを始めましたが、そこでお金を稼ぐことの大変さやコミュニケーション能力の大切さを学びました。

  

私は自ら働くという事を選択した訳ですが、世界には無理やり、奴隷のように働かされる人が多くいます。世界では、児童労働を強いられる子供が1億5000万人を超えると言われており、その半数(約7500万人)が危険を伴う仕事をしているという現状があります。

  

SDGsのターゲットのほとんどは2030年までに達成することを目標にしていますが、劣悪な形態の児童労働を撲滅するという目標は緊急度が高いと判断され、2025年までの達成という野心的な目標を設定しています。

  

利益を多く生み出すためには、原価を出来るだけ安くして、高い値段で売る
これが現代の商売の基本となっています。

例えば、チョコレートを例に考えると、同じような品質のチョコレートでも、危険で安い賃金で生産されたA社の100円のチョコレートと安全で適正な賃金で生産されたB社の200円のチョコレートがあった場合、消費者はその差を判断することは出来ません。

そして、品質も大差がない場合、危険で安い賃金で生産されたA社のチョコレートばかり売れてしまい、安全で適正な賃金で生産しているB社は企業競争に負けてしまいます。
企業は価格をより安くしようとして、どんどん搾取が進んでいきます。

搾取をしている方が得をする現代のやり方は悪循環を生み出します。

  

SDGsが重要視されるいま、今後はやり方が変わってくるのではないのでしょうか?

すべての人が人間らしい生き方をする」ためには、危険で不当な賃金で生産された商品を無くす為に働き方改革を行うのはもちろん、消費者も正当な価格で販売されているかどうかを判断する目を養わなければなりません。

正当な値段で商品が取引されると子供が働かなくても生活が出来るようになり、働いていた時間で教育を受けることが出来ます。そしてその教育によって、子供は賃金の高い安定した仕事に就くことが出来るので良い循環が生まれます。

安全で正当な賃金で商品を生産し続けることで、貧困を撲滅させ、児童労働を無くすことでき、良質な教育の提供がなされ、賃金の高い仕事に就くことが出来ます。

  

企業が安全で正当な賃金で商品を生産するのはもちろんの事、一人一人が「この商品は、フェアトレードで作られた商品なのか」を考えることが、児童労働を撲滅するための最短ルートなのではないのでしょうか。

 

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